「言葉は、辛抱強い生き物だと思う。そのときは聞き流されても体のどこかに住みついて、ある日、突如として姿を現す。」(星野富弘)
何気なく言った言葉が、言われた人間の心の中に長くとどまり、あるとき突然姿を現す。教師にとってこの言葉は強烈です。私たちは子どもを否定する言葉を「体のどこかに」植え付けないように細心の注意をしなければいけないと思います。でも、逆に突然姿を現した言葉がその子を勇気づけるものであれば教師にとってこれほどの喜びはありません。子どもたちの心の支えになるような言葉を一つでも多く投げかけられる存在でありたいと思います。私たちのそんな姿を見て、子どもたちが、互いに傷つけ合うのではなく、支え合う言葉を交わし合うようになれば、いじめ問題の多くは解消するにちがいないと思います。
<追伸>
最近の生徒はひ弱になったと言う人がいます。親や地域の人から叱られることが減ったため我慢する力が弱まっていると言う人もいます。本当にそうなっているのかどうかを立証する術を私は持ち合わせていません。でも、仮に本当にひ弱になっているとしても、私たちはその現実を受け止めたうえで、そういう生徒たちにどういう言葉を贈ることができるかを考えなければならないのだと思います。
(作品No.53)